今までの講演会

ウィズコロナと国民皆歯科健診時代の歯科医療

かかりつけ歯科の重要性

花田信弘鶴見大学歯学部名誉教授講演会2022

2022年10月16日(日)ワイム貸会議室高田馬場にて市民向け講座を開催しました。WEB参加も含め今回はハイブリッド講演会となりました。

花田先生は歯周病と肥満・糖尿病のリスクは共通していることを指摘。マグネシウム摂取不足で糖尿病になる「新型栄養失調」を紹介しました。その原因は精製した炭水化物にあるとして白米などの過剰摂取を戒めました。またお口の中の細菌が大腸がんの発生にかかわっているとの最新の研究結果を紹介。お口の健康が健康寿命を延ばすことを多くの事例から証明しました。

高齢者のフレイル(虚弱)はオーラルフレイル(口腔の虚弱)から始まるとして、歯が痛くて咬めない、歯が抜けて咬めない、義歯が合わずに咬めないなどを放置しておくと低栄養になることを指摘。咬めないと食べやすい炭水化物を過剰摂取、タンパク質低栄養となり要介護となっていくフレイル・ドミノを紹介。食べられない、前歯がなくてみっともない、口臭がするなどが原因で外出する機会が減り社会とのつながりがなくなることも健康寿命を短くする原因の一つとなっています。

コロナとの関係でも栄養、特にHDL(善玉コレステロール)と歯磨きなどお口の健康が大きくかかわっているとする研究結果を報告。歯肉炎のある人は健康な人と比べてコロナでの死亡例が8.81倍も多くなるとのことです。

政府も骨太の方針に「国民皆歯科健診」を取り上げました。 簡単な唾液ヘモグロビン検査を行うことで歯周病評価ができることを紹介。地域完結型医療の中で、かかりつけ歯科が成人病予防の最前線に立つ必要性を訴えて講演を締めくくりました。

花田信弘先生
花田信弘先生

お口の機能低下 オーラルフレイル予防

平野浩彦先生講演会2018

「保険でよい歯を」東京連絡会は2018年7月22日、ワイム貸会議室高田馬場で、2018年夏の学習会を開催しました。参加者は50名にのぼりました。

講師は平野浩彦氏(東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科)で、「人との会話、社会性を保つ歯・口腔のケア-オーラルフレイルの予防」をテーマにご講演いただきました。

日本の高齢化、少子化、寿命と健康寿命の違いなど、現在のわが国の医療・社会情勢とその問題点の解説から始まり、その中で介護予防のカギと位置づけできる「フレイル」、そして歯科における「オーラルフレイル」の概要を説明しました。講演の合間に、認知症予防のための運動や、平野氏がTV番組に出演した際のエピソードなども紹介しながら、噛むことの大切さ、口腔機能の維持・向上が健康に過ごすための重要なポイントであることなど、さまざまなデータや事例をもって参加者にわかりやすく解説していただきました。